幼少期から続く便秘に、東洋医学のまなざしを ―**
便秘はただの排便の問題ではなく、心と体のバランスの乱れ
「便秘がひどいです。幼少期からずっと出にくく、中学生になった今も1週間に1回出ればいいほうです。」
このようなご相談をいただくことがあります。
便秘というと「腸の動きが悪い」と考えがちですが、
東洋医学では「心と体のバランスの乱れ」としてとらえます。
◆ 小児や思春期の便秘に見られる特徴
・神経質で緊張しやすい子
ストレスや不安が腸の動きを止めてしまうことがあります。
・冷えやすい子
体が冷えると腸の働きも鈍くなります。
・食が細く、疲れやすい子
エネルギー不足で腸が元気に動けないこともあります。
◆ 東洋医学のアプローチ
漢方では、こうした体質や気持ちの状態を見極めて、
「体を温める」「潤いを補う」「緊張をほぐす」といったアプローチで整えていきます。
お子さんの便秘には、「心の緊張」や「体の冷え」など、さまざまな背景があります。
ただ便を出すことだけでなく、体の中から整えることが、自然な排便への第一歩です。
【詳しい解説編】
― 一人で悩まないで。東洋医学が考える「出にくい」の理由 ―
西洋医学では、便秘を主に腸そのものの機能の問題として捉えますが、
東洋医学ではそれを「全身のバランスの乱れが引き起こすサインの一つ」と考えます。
つまり、「なぜ便が出にくい体質になっているのか」という根本原因を探るところから始まります。
◆ 「気・血・水」のバランスが鍵
東洋医学では、体をめぐる3つの要素
気(き)・血(けつ)・水(すい)が調和して働くことで健康が保たれると考えられています。
便秘はこのバランスが崩れることで起こるとされ、
次のようなタイプが見られます。
● 「気」が滞るタイプ
ストレスや環境の変化で「気」の流れが悪くなると、腸の動きも鈍くなります。
お腹が張って苦しいのにスッキリ出ない
そんな状態が特徴です。
● 「血」「水」が不足するタイプ
体を潤す力が弱まると、便が乾燥して硬くなります。
皮膚や唇が乾きやすい方にも多く見られます。
● 「気」が不足するタイプ
腸を動かす力が足りず、いきんでも出にくい状態です。
長年の便秘体質や、食が細い・疲れやすい体質の方に多く見られます。
◆ 体質に合わせた漢方のちから
漢方では、こうした体質を見極めて、
滞っている「気」を巡らせたり、乾燥を潤したり、弱っている「気」を補ったりと、
一人ひとりに合わせたアプローチを行います。
ただ便を出すことだけを目的にするのではなく、
「出にくくなっている体の原因」を整えることで、自然なお通じを取り戻す。
それが、東洋医学が目指す便秘治療の形です。
幼少期から続く便秘には、長年の体質や心の影響も関係しています。
無理に出そうとせず、「なぜ出にくいのか」を一緒に見つけていくことが大切です。
◆ご相談はお気軽に
水戸部クリニックでは、ご相談しやすい環境づくりをスタッフ一同で心がけております。
お気軽にご相談ください。
医師の処方による漢方薬は、健康保険適用です。


























