「アトピーです。
脱ステを始めてから3カ月になりますが、
全然良くならなくて、
漢方薬を飲ませてみようと思って受診しました。」
顔や体、全身に浸出液が出ていて、
体が縮めて診察室へ入って来られました。
皮膚の痛みやかゆみで、
体を伸ばしにくくなっているお子さんが受診されることはあります。
「寒い、寒いって、いつも言っています。」
とお母様。
アトピーによる皮膚の炎症が激しいので、
体力がかなり落ちている印象でした。
漢方治療は、自然治ゆ力(病気や症状を自分で治そうとする力)を
高める治療になりますので、
体力の低下が激しい場合は、
体調を整える漢方薬から始めませんと、
皮膚を修復することができないくらい
体力が低下しているお子さんが受診される場合があります。
大人の方でもそのような方がいらっしゃいます。
このお子さんも体力の回復を最優先としました。
漢方薬を服用されて1カ月半くらい経過したところで、
体力の回復が見られ始めました。
脱ステのリバウンドと思われる症状が激しく、
途中で不安になられたお母様から
何度かお問い合わせのお電話を頂いておりました。
「元気が出てきて、食欲が出て、
ご飯を子供茶碗で2杯も食べるようになりました。
まだ皮膚はジュクジュクした汁が出て、
かゆがっています。」
皮膚の新陳代謝(生まれ変わり)は、
期間が必要になりますので、
焦らないで継続して頂くようにお話しました。
継続されて1か月後、
「良くなっていると思います。
あれから皮膚が、大量にボロボロとはがれました。
シーツが皮膚でびっしりになりましたが、
その後からジュクジュクが減りました。
花粉で春に悪化しやすいので、
これから心配ですが、いまのところは
漢方薬を飲む前よりはいいです。」
2週間後、
「1週間前くらいからジュクジュクが多くなっています。
やっぱり花粉の時期はダメです。」
漢方薬を変方しました。
2週間後、
「漢方薬を変えて頂いたら、
ジュクジュクが減りました。」
継続されて1か月後、
「少しはよかったのですが、かゆがっています。」
気温の上昇により、汗が多くなったためと考えられます。
漢方薬を変方しました。
1か月後、
「少し良くなりましたが、
暑くなってきたせいか掻き壊して、
ジュクジュクがまた多くなっています。」
継続して様子をみて頂きました。
1か月後、
「少し落ち着いてきました。
かゆがってはいますが、
寝つきはよくなっていますし、
寝てしまえば、そんなに掻かなくなりました。」
1か月後、
「かゆみとジュクジュクは減りましたが、
寒い、寒いって言います。
もう5月なのに・・・。」
漢方薬を変方しました。
1か月後、
「ジュクジュクが減って、外でも半そでが着れるようになりました。
足もジュクジュクしたのが、ズボンに張り付いて、
お風呂とか着替えて脱がせるのが大変だったのですが、
すんなり脱いでくれるくらいになりました。」
まだまだこれからですが、
初診時とは比較にならないくらい体力がついて、
皮膚の状態も一進一退を繰り返しながらも少しずつ改善されています。
アトピー性皮膚炎で受診される方は多いですが、
皮膚の状態の改善の前に体調を整えるところから中心に開始した方が、
結果的には改善が早い方がいらっしゃいます。
焦らずに治療を受けて頂けると良いと思います。
【子供のアトピーに漢方】
水戸部クリニックでは、長年の漢方診療の経験により
患者さんそれぞれの症状や体質に合わせた漢方薬を処方しております。
医師の処方による漢方薬は、健康保険が適用になりますので、
経済的で続けやすいと好評です。
新潟市で診療を行っておりますが、新潟県内の遠方からの方、
新潟県外から受診される方も多いです。
【新潟の漢方外来・水戸部クリニック】