アトピー性皮膚炎に漢方治療を行っておりますが、改善を実感されるまでの期間に、差があります。
水戸部クリニックでは、初診の場合、2,3週間くらいで、飲めるかどうか、改善傾向がみられるか様子を診て、その後から本格的な治療となると考えていただけるとよいと思います。
漢方の皮膚炎治療では、「標治と本治」を考えます。
「標治」とは、皮膚に起こっている炎症を改善する治療
「本治」とは、皮膚炎が起こる原因となっている体のバランスの乱れを改善する治療
と考えて頂くとわかりやすいと思います。
アトピー性皮膚炎で受診される方は、皮膚の炎症による痒みや痛み、体のほてりなどでストレスを感じていたり、十分な睡眠が取れていない方が多いです。
イライラしたり、落ち込んだり、気持ちが休まる時間もなく、眠っていてもかゆみなどで、睡眠の質がよくない状態が続いていると、体力や免疫力なども低下している方が多いです。
遺伝などによる元々の体質による差もありますし、現在の体力の状態、食生活、生活習慣の違い、年齢、性別などによっても、改善を実感されるまでの期間に差が出ます。またステロイドやタクロリムス軟膏を使っている方、全く使用されていない方でも、差が出ます。
赤ちゃんや乳幼児の方は、皮膚が薄いですし、刺激に敏感なので、症状が激しく現れる場合が多いですが、自然治癒力(自分で治す力)が旺盛なので、比較的短い期間で、改善を実感される場合が多いです。
小児の方は、成人より皮膚の新陳代謝が活発で、自然治癒力が高いですが、ステロイドやタクロリムス軟膏を長期間使用されている方は、皮膚表面の免疫力が低下していますので、改善までに長期間を要する場合が多いです。このような場合は、体力をつけて、自然治癒力を高めることから始めた方がよい場合もあります。お子さんのその時の体調や体力に合わせて漢方処方を検討しております。
ステロイドやタクロリムス軟膏に関して、不安や疑問を感じられて、急に中止してしまう方がいらっしゃいますが、激しいリバウンドが起こり、日常生活に支障が出てしまう場合が多いので、急に中止せずに、漢方治療と並行しながら、少しずつ減らしてゆくことをお勧めしております。
成人で、アトピー性皮膚炎が慢性化している方、幼少期のアトピーが突然に再発して受診される方の場合もあります。
仕事などで、ストレスや疲労の蓄積によって、体力の消耗が激しく、免疫力が低下している場合が多く、標治のための漢方薬よりも体力を回復して、自然治癒力を高める漢方薬による治療から開始しなければならない場合が多いです。
成人の方は、体調不良や疲労感などを自覚していない方も多いですが、免疫力が低下していたり、ストレスによる精神的な疲労が、アトピーなどの皮膚炎を修復する力が低下している場合が多いです。
成長期の小児の方とは違い、皮膚の新陳代謝のスピードも緩やかになっているので、長期間を要する場合が多いです。
女性の方は、生理周期に伴ってアトピーやにきびなどの皮膚炎が悪化する場合があります。また思春期、青年期、更年期などによっても女性の体質は変化します。
このように、患者さんそれぞれの体力や体質、皮膚炎の症状の変化に合わせて、細やかに対応できるように、漢方薬を変方したり、追加したりして、治療を行っております。
一度改善がみられても、風邪をひいたり、疲労の蓄積など体調に変化が起こるとアトピー性皮膚炎の症状が激しくなる場合もあります。そのような場合は、漢方薬を変方するなどにより対応しておりますが、症状が悪化したようになると、漢方に対して不安を感じる方もいらっしゃいます。わかりやすいようにお話しておりますが、辛くなって、中断されてしまう方がいらっしゃる事も現実です。その後に、また漢方治療を再開したいと、来院される方もいらっしゃいますが。
アトピー性皮膚炎のお子さんの親御さん、長年アトピーに悩んでいる方の中には、様々な情報に振り回されてしまう方がいらっしゃいます。不安なお気持ちに耳を傾けるように心がけております。漢方薬による体質改善は、長期間を要する場合が多いですが、体の中から健康な皮膚を作るために、継続されたことで、ステロイドなどの塗り薬だけではなく、漢方薬も中止できる方が多いです。
「ゴワゴワで黒ずんだ皮膚しか、自分の記憶にはなかったので、とっても嬉しいです。」
「もっと早くから来ていればよかった。こんなによくなると思っていませんでした。もう少し頑張ります。」
「気持ちが前向きになれました。」
などの声を聞けることが多く、こちらも嬉しくなります。
なかなか改善が見られなかった方、自信を失っていた方と一緒に頑張って来た嬉しさは、漢方との出会いがなければ得られなかったものです。難航する方、辛くて涙がこぼれてしまう方など様々ですが、患者さんに寄り添った医療を心がげております。
医師の処方による漢方薬は、健康保険が適用になりますので、長期間の治療が必要な方にも好評です。
新潟市で西洋医学と東洋医学のよさを活かした治療を行っておりますが、新潟県内の遠方からの方や新潟県外からの受診も多いです。遠方で受診が難しい方には、オンライン診療(遠隔診療)も好評です。
「アトピー性皮膚炎に漢方」
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「西洋医学と東洋医学のよさを活かした医療を水戸部クリニックで」