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2017年9月20日 (水)

ステロイドを塗り続けていますが、やめたいです。

 「幼少期のころからアトピーで、ステロイドを塗り続けて来ましたが、塗るのをやめると、悪化してきます。ずっと塗り続けて下さいと言われましたが、やめることはできませんか。」

 とのご相談が多いです。

 ステロイド外用剤を塗ると、アトピー性皮膚炎が改善されます。炎症物質が皮膚や細胞で作られ、排泄するのをステロイドが抑えるので、皮膚炎が改善されます。しかし、皮膚細胞での炎症物質が作られる状態が改善されているわけではないので、ステロイドを塗るのをやめると、皮膚細胞で作られた炎症物質の排泄が、また始まります。(リバウンド)

 また、長い期間にわたり皮膚炎が続いていると、皮膚の構造自体にも変化が起こります。掻き壊しを続けると、表皮の細胞から神経を伸ばす物質が出て、かゆみの神経が皮膚表面に伸びて、過敏な状態になります。

 また、長期間にわたり塗り続けた部分の皮膚が薄くなったり、毛深くなったりすることが多いです。また毛細血管が拡張してもろくなると、もともと皮膚が薄い部分、特に顔などが、赤くなったりすることがあります。これらの症状は、ステロイドを塗るのをやめると、改善される場合が多いですが、改善するまでに1年以上を要する場合が多いです。

 ステロイドを継続して塗っていた方は、上記のような理由で、リバウンドと激しいかゆみで、なかなか中止できない場合が多いです。Img_8475

【漢方治療と並行して脱ステロイド】

 漢方治療で、脱ステロイドをしたい方のご相談が多いですが、長期間にわたりステロイドを塗り続けていた方の場合は、急にステロイドを中止してしまうと、リバウンドが起こる方が多いです。

 漢方では、皮膚表面の炎症を鎮める治療と皮膚に炎症物質が排泄されないように改善する治療(体質改善)の両面からの治療となります。

 漢方治療を開始されても、一度に皮膚の再生が起こるわけではありませんので、リバウンドによる激しい症状やかゆみが起こる場合があります。皮膚表面の炎症の変化に合わせて、漢方薬を変方していますので、定期的に受診していただく場合が多いです。

 例えば、乾燥していたアトピーが、ジュクジュクした浸出液が出てきたら、ジュクジュクを吸収する漢方薬に変方します。

 また、リバウンドにより、皮膚がむくんだり、腫れたような状態になったら、炎症や腫れを鎮める漢方薬に変方します。

 このように、皮膚炎の症状変化に細やかに対応できるのが漢方薬です。

【漢方による体質改善は焦らずに】Ky27_01_2_2

 そして、体質改善には、長期間を要する場合が多く、漢方治療を開始するのに合わせて、ステロイドを急に中止するのではなく、皮膚炎の改善に合わせて、ステロイドの作用が弱いものへ徐々に切り替えてゆくことをお奨めしております。

 ステロイドは、体の中の副腎で作っています。長い期間にわたり外からステロイドが与えられ続ける事で、副腎がステロイドを作らなくなってきます、そのために、急にステロイドを中止してしまうと、激しいリバウンドが起こる場合が多いですので、少しずつ強度を弱めたり、塗る回数を減らしてゆくことをお奨めしております。

 医師の処方による漢方薬は、健康保険が適用になりますので、お財布にやさしく続けやすいと好評です。

 新潟の水戸部クリニックでは、長年の漢方診療の経験を活かして、一人ひとりの症状や体質に合わせて、脱ステロイドをしたい方に漢方治療を行っております。

「新潟の漢方皮膚科・水戸部クリニック」

従来からのPC用HPもご覧ください。

「治りにくい皮膚症状を漢方で」

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