アトピー、アレルギー体質が治るまで

　アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の改善に漢方治療を行っております。漢方では、アトピー性皮膚炎は、皮膚表面だけの炎症ではなく、皮膚に不要な老廃物が過剰に排泄されている状態であると考えます。

　皮膚表面の炎症を改善しながら、内蔵機能を整えることで、健康な皮膚を作る力を整える漢方薬を服用されることで、お肌の状態が少しずつ整ってくる方が多いです。

ある患者さんの治療経過をご紹介します。

【初診時８歳　男の子】

　顔に赤く盛り上がった湿疹、首、ひじ、ひざ裏、おちんちんの周りに湿疹　ステロイド使用中

　皮膚全体に乾燥してカサカサ　アレルギー体質、タマゴ、ハウスダスト陽性

　顔の赤みと炎症を鎮める漢方薬と体質改善の漢方薬を処方しました。

【３日後】

　顔の赤みと湿疹が激しくなったと電話

　皮膚の新陳代謝が活発になったためと考えられ、漢方を続けて様子をみるようにお話しました。

【２週間後】

　「顔の赤みは、１日で引きました。それから、少しずつよくなってきました。」

　同じ処方で継続

【４週間後】

　「顔の湿疹がかなりよくなりましたが、ひじとひざの裏側を引っ掻いています。皮膚の乾燥は、落ち着いているように思います。」

　寝るときにかゆみが激しくなるとのことでしたので、体のほてりを鎮める漢方薬を追加しました。

【４週間後】

　「少し調子よかったが、足の付け根とおちんちんの周り（そけい部）の湿疹がかゆくて、掻いています。」

　体質改善の漢方薬は、そのままで、陰部の湿疹に対応した漢方薬に変方しました。

【３ヶ月後】

　毎月受診されていました。湿疹も落ち着いていましたが、季節の変わり目になり、皮膚が乾燥して、かゆみが増してきました。

　気温の低下と空気の乾燥、暖房などによる症状と考え、皮膚に潤いを与える漢方薬に一部変方しました。

【４週間後】

「見た目は、ほとんどきれいになりましたが、イライラして掻き壊すことが多くなっています。寝ていて掻いています。」

　漢方薬を変方しました。

【４週間後】

　「イライラは、落ち着いてよく眠れています。ステロイドもほとんど塗っていません。」

　前回と同じ処方で継続しました。

【３ヶ月後】

　毎月受診されていました。

　「皮膚の状態がよく、落ち着いていましたが、温かくなり始めたら、悪化し始め、口の周りに湿疹が出て、口角炎も出ました。目の周りが赤くなって、お尻にもまた出て来ました。」

　目の周りや口の周りの炎症に対応した漢方薬を処方しました。

【４週間後】　

　「口の周りは、少しよくなってきました。目の周りの赤みはすぐに治りました。もともと汗をかかないので、体が真っ赤になって、かゆいみたいです。」

　皮膚は乾燥してカサカサしていました。皮膚の新陳代謝を活発にする漢方薬などを処方しました。

【４週間後】

　「少し汗がかけるようになったみたいです。皮膚は、よくなったり、悪くなったりを繰り返しています。」

　外見では、かなりきれいな状態になっているが、気になるそうです。同じ処方で経過をみました。

【２か月後】

　「受診できませんでしたが、悪化することもなく落ち着いていました。スポーツクラブに入って、運動して帰ってくると、体が真っ赤になります。」

　体のほてりを改善する漢方薬を処方しました。

　その後数か月、同じ漢方薬を継続していましたが、悪化することもなくなり、ステロイドも不要になりましたので、治療を中止しました。

　アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の改善には、長期間を要する方が多く、よくなったり、悪くなったりを繰り返す場合も多いです。改善には個人差が激しく、どんどんよくなって、短期間で、治療終了となる方もいらっしゃいますが、皮膚の変化が激しく、内蔵機能の衰えが激しい方は、なかなか改善を実感できない場合もあります。そのような状態の時につらくなって諦めてしまう方がいらっしゃることも現実です。不安を感じたら、お電話やメールでのご相談も受け付けております。

上記の方もお子さんのアトピー症状の停滞、悪化を経験され、同じような状態の方の参考になればと、掲載を申し出て下さいました。

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「アトピー性皮膚炎に漢方・ステロイド離脱したい、使いたくない」