「山登りが趣味で、思い立つと翌日には登っています。
これまでは何ともなく頂上まで登れていたのですが、夏頃から二合目あたりで息苦しくなり、しゃがみこみたくなります。
普段の生活では元気で異常もなく、検査もすべて問題なし。けれど、山に登ると息苦しくなります。
歳のせいでしょうか・・・。」

山登りなどの運動を楽しんでいて、「以前より息が上がりやすくなった」と感じることはありませんか。
検査では異常がなくても、年齢とともに体のエネルギーである「気」が不足しやすくなり、体力や回復力に変化があらわれることがあります。
今回もささっと理解したい方、詳しく知りたい方用に掲載します。
✨【簡単に理解したい方へ】
― 山登りで感じる息切れ、東洋医学の視点から ―
東洋医学では、検査数値には現れないような体のバランスの乱れや機能の低下を「未病(みびょう)」と考えます。息切れは、体を動かすエネルギー「気(き)」の不足や、呼吸をつかさどる「肺(はい)」、生命力のもとになる「腎(じん)」の衰えと関係していることがあります。
普段の生活では問題がなくても、山登りのように体を使う場面では、隠れていたエネルギー不足が表に出やすくなります。
また、「夏頃から」という点も見逃せません。夏は汗とともに「気」も消耗する季節。夏の疲れが残ったまま秋を迎えると、体力の余裕がなくなりやすくなります。
漢方では、息切れの原因を「呼吸の問題」としてだけでなく、「なぜ息切れが起こるのか」という体全体のバランスから考えます。エネルギーが足りない方には「気」を補う働きのある生薬を、体の基礎となる「腎」の力が弱っている方には、それを養うような生薬を選びます。
検査で異常がなくても、体が発するサインには意味があります。無理をせず、体の声に耳を傾けながら、東洋医学の知恵を活かして大好きな山登りを続けていきたいですね。
【健康寿命のための漢方】

✨【詳しく知りたい方へ】
― 山登りで息切れを感じるとき ―
■ 東洋医学で考える「息切れ」
東洋医学では、体を動かすエネルギー源である「気(き)」の不足や、呼吸機能をつかさどる「肺(はい)」の働きの低下、さらに生命エネルギーの根本とされる「腎(じん)」の衰えが、息切れや息苦しさに関係していると考えます。
日常生活では問題がなくても、山登りのように体に負荷がかかると、より多くの「気」を必要とするため、隠れていたエネルギー不足が表面化します。
■ 年齢と季節の影響
以前は平気だったことがつらくなる背景には、年齢による体力や「気」の変化が関係していることもあります。
東洋医学では、加齢とともに「腎」の働き(=生命力や成長・老化に関わる機能)が少しずつ衰え、それに伴い「気」を生み出す力も弱まりやすいとされています。
また、「夏頃から」という点にも注目が必要です。夏は汗とともに「気」も消耗する季節。夏の疲れが体に残ったまま秋を迎えると、体のエネルギーが十分に回復せず、息切れとして現れることがあります。
■ 漢方でのアプローチ
漢方では、「息切れ」を単なる呼吸の問題としてではなく、体全体のエネルギーバランスの乱れととらえます。
「気」が不足している方には、それを補う働きのある生薬を。生命エネルギーの根本である「腎」が弱っている方には、そこを養うような生薬を用いることがあります。
大切なのは、その方の体力、冷えの有無、胃腸の状態、のどの渇きなど、全身の状態=「証(しょう)」を見極め、その方に合った方法を選ぶことです。
検査では異常がなくても、体は小さなサインを出しています。
【健康寿命のための漢方】
水戸部クリニックでは、ひとり一人の症状や体質を考慮して、山登りなど体を動かすことを楽しめることを目指して漢方処方を検討しております。ご相談しやすい環境づくりをスタッフ一同で心がけております。
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【新潟の漢方外来・水戸部クリニック】